2009年4月16日木曜日

ジャッキーロビンソン氏を称える日



今日4月15日(米国時間)は、黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン氏を称えて、彼の背番号42番を、どのメジャーリーガーも希望すればつけることができる記念日。レイズ岩村選手やブレーブス川上投手も42番のユニフォームを身につけたという。

こうした先人を称え、尊敬する文化は、元々日本的というか、日本のほうが伝統を大切にする国と思われているし、そう思ってもきた。

だが、本当にそうなのだろうか。

 ジャッキー・ロビンソン・ディだけではない。9.11で献身的な活動をされたニューヨーク市警や消防の方々、戦地で命を落とした方や活躍された方を称える文化が根付いているのはアメリカのほうだ。

 硫黄島の話だって、クリント・イーストウッド氏が映画にしなかったら、若い日本人のほとんどは知らないままでいたのではないだろうか。救援もなく、絶望的な戦いの中で、兵士1人1人を激励し、最後まで統率し、国家の為に亡くなった数多くの先人の尊い犠牲があったからこそ、戦後以降の繁栄を築く一因になったのではないだろうか。無謀な戦い、となってしまった東南アジア、太平洋上の戦いで命を落とした諸先輩方の尊い犠牲の上に、今の僕たちがいるのではないだろうか。

 会社もそうだ。困難にぶち当たったときに、先輩社員がどんな活躍をされて、どんな開発やどんな営業をされたのか、先輩方の貴重な経験談を普段、僕らは教えられることがない。あったとしても、非常に個人的、内々の話で終わる。

 創立記念日はある。だが、例えば4月16日は「後藤康之さんの日」なんて会社はあるのだろうか。ほとんどないのではないか。そんな日を制定している企業があれば教えてほしい。89年のバブル崩壊以降20年間のうちこれでもう不況は何度目だろうか。その都度その都度切り抜けてきたのか、それとも、ただ流されているだけなのか、何度と無く「回復した」「ダメになった」の繰り返し。明るい未来のビジョンを示してくれる政治家は登場しないから、自分たちで明かりを灯していくつもりだ。だが、こんなとき先輩たちはどうだったか、例えば昭和恐慌の頃に会社があった老舗企業の営業マンたちはどう切り抜けようとしたのか、広告がまだ「うさんくさい」と思われていた時代の先輩広告マンの方々は、どんな苦労をしてクライアント企業の方がたに納得させて仕事を取ってきていたのか、「伝説の営業マン」と呼ばれた○○さんの営業ノウハウってどういうものだったのか、そういう先輩方の経験、知恵の蓄積、そんな貴重な「知恵」が大事にされていない気がするのだ。そりゃそうだ。定年になったらはいさよなら、で追い出して、OBを暖かく迎えるセレモニーもパーティーもなく、個人を大事にしない、そんな企業が、「人に優しい会社です」なんて会社案内に書いてあったって、そんなの欺瞞だ。信じられるもんじゃない。

何が言いたいか、というと、少なくとも、僕らは、先輩方を大切にしたい。先輩方を大切にする、称える文化を持った企業にしたいんだ。業績が悪化した際に、不本意ながら退職してもらった方でも、10周年のパーティーには参加してもらいたいし、あの時、彼らが退職する、ということを呑んでくれたおかげで、今がある、その気持ちに感謝したい、そんな企業でありたいなあ、と思っている。企業経営者はどんなきれいごとを言っても、売上を伸ばし、利益を上げないとダメだ。社員の幸せもないし、成長も経験させてあげられない。だからこそ、苦境のときはみんなで応援して、乗り切ろう、がんばろう、って励ましあう。

なんていったって、今回のは100年に1度、って言われているんだ。1つの解決策やアイディアだけで乗り切れるもんじゃない。いろんな手を打って、いろんな策を実施して、キャンペーンをして、クーポンを配ることも必要かもしれない。価格帯を見直すことも必要かもしれない。ホームページも見直す必要があるかもしれない。全部一旦ゼロベースで見直す必要があるかもしれない、そんな時期。

現社員の知恵で足りなければ、OBの方々の知恵をお借りしなければならないような時期だ。なのに、先人を大切にしないで、都合の良いときだけ「お願いします、助けてください」じゃあ助けてもらえないよ。

 もともと日本人は個人を、先輩を立てて長老を大切にする、そんな土壌だったはず。確かに先輩たちはパソコンは使えない。電話も自分で出ない。女性社員に電話を取らせて、ファックスも頼んで、ほとんど事務的な能力は無かったかもしれない。英語もダメだったかもしれない。ぜんぜん優秀じゃなかったかもしれない。けれど、今、あなたの会社があるのは、そうした先輩たちの築いてくれたもの、残してくれたものがあるからだ。

 だったら、そんな先輩方に1日くらい、感謝の意を示す日があってもいいんじゃないかな。「ジャッキー・ロビンソンさんの日」を毎年お祝いするメジャーリーグをみて、そんなことを思いました。そして、先人を称えるアメリカをちょっぴりうらやましく思いました。

長文すまんかった。読んでくれてありがとう。




それでは。今日もお元気で!






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