こんにちは。暑いですね。私が住んでいる多治見市は、かつて日本一暑かったこともあり、この夏も「猛暑」となっています。皆さんのところではいかがでしょうか。猛暑だから、ということではないでしょうが、多治見ではお盆は8月ではなく7月、ちょうど今日が中元なんですね。
お盆だから、ということかもしれませんが、ちょっと離れた位置で自分を見つめ直してみると面白いことに気づきました。縦に時間軸、横に社会との関わり方、という座標で考えてみると、これまでの自分は社会とどう向き合い、社会とどう付き合うのか、ということばかり行なってきたように思います。学校を出て、大学へ行き、友達を増やし、先輩後輩に出会い、上司や取引先に鍛えられ、人生の師と呼べるような方に教えを頂き、事業を拡大し・・・これらはすべて横軸を広げた活動です。
連ドラ「おひさま」をみていて、そして、お盆ということで、そろそろ40も半ばを過ぎて自分の老後、というよりも、ご先祖さまというと、大げさだけど、親や祖父母、その周りの人達、さらに上の世代の先人がどう考えていたのかということに心を馳せてみたら、と、昨日は創業113年企業に学ぶ「老舗の掟」~繁栄を永続させる17つの智慧、という勉強会を行ないました。
歴史のつながりを感じることができる先人の教えとはなにか。歴史の建造物を観る、偉人の物語を知る、ということもあるでしょう。もっと身近なものはなにか、その1つが「家訓」だったからです。家訓といえば、三井家の家訓、近江商人の家訓、老舗企業にはそれぞれの「家訓」があります。それは子孫も繁栄してほしい、もっと善くなっていてほしいという「愛のメッセージ」なんですね。親が子を思う気持ちと、当主が次の、そして、将来の家の繁栄を願う気持ちには差があるわけではないと思います。そして、その家訓に改めて目を通してみますと、実に公平で、現代でも通じるようなものばかりです。例えば、三方良し、倹約第一、不利と分かれば即撤退。処分せよ。ケチるな。ケチと倹約とは違う。陰徳善事・・・これらの家訓は、それぞれの家によって異なります。それぞれの家が何を重要視しているか、によっても変わるわけです。
さて、我らが岐阜県の中にも、創業100年以上の企業が400社もあるそうです。彼らは普段は意識していないかもしれませんが、先人の智慧や考え方とつながっている存在です。家訓がある会社もあればそうでない会社もあるでしょう。
講座を開催するにあたり、今回、創業113年、1898年創業のマルコ醸造の四代目当主 小木曽さんに尋ねてみました。
「小木曽さんとこって、家訓とかあるんですか?」
「うん、あるよ」
「壁に貼り出してあって、毎朝朝礼で読み上げるとかそういうことしてんの?」
「いいえ。そんなことしてないよ。口伝だから、なんも紙になってないよ。」
「せっかくだから、それ、ちょっと思い出しながら、書きだしてもらえませんか」
「前からやろうやろうと思ってたけど、忙しくて後回しにしてたことだったんですよ。いいですよ、喜んで!」
というわけで、門外不出、創業113年以来口伝で伝えられてきた「小木曽家の家訓」には、三井家などの有名な家訓と重なるところもあれば、オリジナルな条文もありました。この家訓には創業者から代々引き継がれてきた智慧と思いが詰まっていて、先人の温かい愛情を感じることができました。
「小木曽さん、自分の息子さんにも後を継がせたい?」
「そうだね。未来につなげて欲しいね。うちの醸造技術や良さをもっと広げてくれる、そんな可能性を託してみたいね。」
小木曽さんの顔は、若経営者、というより、愛情に溢れた「会社のお父さん」の笑顔になっていました。
門外不出の「家訓」を公開してくださった、小木曽様に御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
追伸 1912年7月30日元号が明治から“大正”に改元されました。
今年は大正元年から数えて“大正百年”にあたります。恵那市明智町の日本大正村では 7月31日(日) に恵那市と共同で改元をお祝いする“記念式典”及び“記念イベント”を開催されるそうです。
詳しくは大正百年 改元記念 と検索してみてください。それでは、今日も善い一日を!
それでは。今日もお元気で!
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